
【行政書士法人塩永事務所】障害者グループホーム開業の流れと条件を徹底解説
こんにちは。熊本市中央区水前寺の行政書士法人塩永事務所です。
当事務所では、障害福祉サービス事業の立ち上げや指定申請をはじめ、法人設立から運営までを一貫してサポートしています。
近年、障害者グループホーム(共同生活援助)のニーズは高まり続けており、新規参入を検討される法人様も増えています。
しかし「どんな基準を満たせばいいのか」「必要な資金や資格は何か」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、グループホーム開業の条件や基準、必要な資金と具体的な流れを詳しく解説いたします。
グループホームとは?
グループホームとは、障害のある方が食事・入浴・金銭管理など日常生活の支援を受けながら共同生活を送る住まいです。
正式名称は「共同生活援助」といい、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの一つです。
グループホームのサービス種別
グループホームには大きく3つのタイプがあります。
| 種別 | 主な対象者 | 支援内容 | 短期入所 | 職員配置 |
|---|---|---|---|---|
| 介護サービス包括型 | 夜間や休日に支援が必要な方 | 食事・入浴・排泄などの生活支援 | 基本なし | 事業所職員 |
| 日中サービス支援型 | 障害の程度が重く日中も支援が必要な方 | 24時間体制での生活支援 | あり | 事業所職員 |
| 外部サービス利用型 | 比較的軽度の方 | 外部の介護サービスを利用 | 基本なし | 外部委託可 |
さらに、「サテライト型」と呼ばれる形態もあり、利用者が一人暮らしに近い形で生活しながら、近隣のグループホームで食事や余暇活動の支援を受けることが可能です。
グループホームの需要と市場動向
厚生労働省「社会福祉施設等調査」によれば、利用者数・事業所数ともに右肩上がりで増加しています。
背景には、障害者の地域生活移行の推進と、親亡き後を見据えた住まいの確保ニーズがあります。
今後も需要は拡大傾向にあり、新規参入の余地は十分にあるといえるでしょう。
グループホームは儲かるのか?
収益性は事業の種別や運営体制によって異なります。
厚生労働省「令和5年度 障害福祉サービス等経営実態調査」によると、2022年度決算の収支差率(全国平均)は以下のとおりです。
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介護サービス包括型:9.5%
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日中サービス支援型:4.2%
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外部サービス利用型:1.3%
黒字経営を実現している事業所は多く存在しますが、赤字事業所も一定数あるため、事業計画と資金繰りの確実性が重要です。
グループホーム開業に必要な条件・資格
グループホームの指定を受けるには、以下の条件を満たす必要があります。
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法人格を有している(株式会社、合同会社、一般社団法人、NPO法人など)
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人員基準を満たす(管理者・サービス管理責任者・世話人・生活支援員 等)
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設備基準を満たす(居室の広さ、浴室・トイレ等の整備)
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運営基準を満たす(運営規程、虐待防止措置、緊急対応体制 等)
法人格の取得
個人事業では運営不可のため、必ず法人を設立します。法人格の選択により信用力・資金調達力が変わるため、目的や資金計画に応じた選択が必要です。
人員基準
例:介護サービス包括型では、利用者6人につき常勤換算1人以上の世話人を配置する必要があります。
設備基準
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居室は原則1人1室・7.43㎡以上
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居間・食堂・浴室・台所などの共用設備を整備
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立地は住宅地に準じ、地域交流が可能であること
開業に必要な資金
一般的に約1,000万円が必要とされます。
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開業前:法人設立費、物件取得・改装費、備品購入費、採用費
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開業後:人件費、家賃、水道光熱費、運営費
多くの場合、自己資金だけでなく金融機関からの融資を組み合わせて調達します。
開業の流れ(ステップごと)
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事業計画書の作成
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事業方針、収支計画、競合分析などをまとめる
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法人設立
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定款作成・登記申請(当事務所がサポート可能)
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資金調達
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金融機関融資や補助金活用を検討
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物件探し・契約
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設備基準を満たし、利用者が通いやすい立地を選定
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従業員の採用
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人員基準を満たす職員を採用
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物件のリフォーム
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設備基準・バリアフリー化を考慮
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備品の調達
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家具・福祉用具・防災用品など
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指定申請
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自治体に共同生活援助事業の指定申請を行う
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業務支援システム導入
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請求ソフト等を準備
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利用者獲得
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支援機関や相談支援事業所と連携
行政書士法人塩永事務所のサポート
グループホームの開業には、法人設立、指定申請、補助金申請、契約書作成など法律・行政手続きの専門知識が必要です。
当事務所では、熊本を中心に数多くの障害福祉事業の立ち上げをサポートしてきました。
「ゼロから開業したい」「申請で不備が出ないようにしたい」といった方は、ぜひご相談ください。
まとめ
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グループホーム開業には法人格・人員基準・設備基準・運営基準が必須
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必要資金はおよそ1,000万円、融資や補助金の活用が現実的
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開業までには事業計画 → 法人設立 → 資金調達 → 物件準備 → 指定申請という流れが必要
障害者グループホームの立ち上げは社会的意義が大きい一方で、行政手続きや運営準備は複雑です。
専門家の支援を受けながら、着実に準備を進めていきましょう。
