
死後事務委任契約とは?遺言書との違いからサービス内容まで徹底解説
「万が一の時、残される家族に負担をかけたくない」「自分の葬儀やお墓について希望通りにしてもらいたい」—そうした思いをお持ちの方のために、死後事務委任契約という選択肢があります。
死後事務委任契約とは、ご自身の死後に発生する様々な手続きを、あらかじめ指定した第三者に託す契約のことです。ご自身を「委任者」、当事務所のような専門家を「受任者」とする民法上の委任契約の一種であり、単なる代理権の付与にとどまらず、ご自身の意思を尊重した上で、包括的に死後事務を遂行する権限を付与するものです。
この契約を結んでおくことで、ご親族やご友人に金銭的・精神的な負担をかけることなく、ご自身の希望を確実に実現できます。
死後事務委任契約と遺言書、その決定的な違い
ご自身の死後に備える手段として、多くの方がまず思い浮かべるのが遺言書ではないでしょうか。しかし、遺言書と死後事務委任契約は、その役割が大きく異なります。
- 遺言書:主に「遺産の分配」に関する法的効力を持つ文書です。誰に、何を、どれだけ相続させるかといった財産分与について、法的な強制力をもって指定することができます。しかし、葬儀の方法や埋葬場所、遺品整理など、相続財産以外の事務手続きについては、遺言書に記載しても法的な効力は生じません。あくまで「付言事項」として、ご家族への希望を伝えるにとどまります。
- 死後事務委任契約:この契約は、まさに遺言書ではカバーできない死後の事務手続きを確実に実行するためのものです。葬儀や供養、行政手続き、各種契約の解約など、遺産相続以外のあらゆる事務手続きを、ご本人の意思を尊重して代行します。
つまり、遺産を巡るトラブルを防ぎたいなら「遺言書」、ご自身の希望を叶え、残された方々への負担を軽減したいなら「死後事務委任契約」が必要です。この二つの契約は、どちらか一方だけでは不十分であり、組み合わせて活用することで、ご自身の「終活」をより完璧なものにすることができます。
当事務所の死後事務委任サービス内容
行政書士法人塩永事務所では、死後に必要な手続きを一つひとつ丁寧にサポートいたします。報酬は手続きごとに設定しており、ご依頼内容に応じて総額が決定します。
以下に、主なサービス内容と報酬の目安をご紹介します。
※上記報酬額は税別です。 ※各手続きにかかる実費(葬儀費用、清掃費用、家賃など)は別途ご負担いただきます。
遺言執行の報酬について
遺言書作成のご相談から遺言執行まで一貫してサポートいたします。遺言執行とは、遺言書の内容を実現するための手続きです。
死後事務委任契約の執行費用(葬儀費用や報酬など)を精算した後に残る遺産について、遺言書に記載された通りに処理・分配します。
遺言執行報酬は、遺産総額に応じて決定します。 (概ね遺産総額の1%~3%程度が目安となります。)
※報酬は、死後事務委任契約の執行費用を控除した後の遺産総額に基づいて算出します。 ※報酬はすべての手続きが完了した段階で受領します。
ご契約時の費用と注意点
死後事務委任契約の執行費用(葬儀代などの諸経費+当事務所の報酬)は、一般的に250万円~300万円程度となることが多いです。ご契約時に概算のお見積りをご提示し、その金額をご用意いただくようお願いしております。
ただし、実際に発生する費用は、亡くなった後に必要となった手続きの種類や件数によって変動するため、見積額と実際の費用は異なる場合があります。
【重要】ご契約者様の郵便物について 郵便法により、亡くなった方宛の郵便物(請求書など)は、ご遺族宛であっても転送設定ができません。そのため、重要な書類を確実に受け取るために、ご自宅の賃貸契約を一定期間維持しておく必要があります。この点も考慮した上で、費用のお見積りを行います。
ご自身の最期を安心して迎えられるよう、そして大切なご家族に負担をかけないために、死後事務委任契約を一度ご検討されてはいかがでしょうか。初回のご相談は無料です。まずはお気軽にお問い合わせください。