
【外国人起業家向け完全ガイド】経営管理ビザ申請から会社設立まで徹底解説!
行政書士法人塩永事務所の専門サポートで確実な日本進出を実現
はじめに:日本起業の現実と課題
「日本で自分のビジネスを始めて、夢を実現したい!」
このような志を持つ外国人起業家の皆さまにとって、日本での事業開始は単なる憧れではなく、具体的に実現可能な目標です。しかし、その道のりには「経営管理ビザの取得」と「法人設立手続き」という、専門的知識と慎重な戦略が必要な二つの重要なステップが待っています。
多くの方が「どこから手をつけるべきか分からない」「失敗したらどうしよう」「日本の法制度が複雑すぎる」といった不安を抱えていらっしゃいます。これらの不安は決して杞憂ではありません。事実、不適切な準備や戦略により申請が不許可となったり、設立後の事業運営で困難に直面したりするケースも少なくないのが現実です。
行政書士法人塩永事務所では、これまで数百件を超える外国人起業家の日本進出をサポートしてまいりました。本ガイドでは、その豊富な実務経験に基づき、経営管理ビザ申請から会社設立までの全プロセスを、実践的かつ具体的に解説いたします。
1. 経営管理ビザ(在留資格「経営・管理」)の基礎知識
1.1 経営管理ビザの法的位置づけと意義
経営管理ビザ(正式名称:在留資格「経営・管理」)は、出入国管理及び難民認定法に基づく在留資格の一つであり、外国人が日本国内で事業の経営または管理に従事することを目的として滞在するための法的資格です。
🔹 適用対象となる活動
- 事業経営活動:会社の代表取締役として事業を直接経営する活動
- 事業管理活動:部長・支店長等の管理職として事業の管理に従事する活動
- 投資活動:事業投資を通じて投資家として経営に参画する活動
🔹 従来制度からの変更点
2015年の法改正により、従来の「投資・経営」ビザから「経営・管理」ビザに名称・要件が変更され、より幅広い経営・管理活動が対象となりました。
1.2 経営管理ビザ取得の法的要件(詳細分析)
経営管理ビザの許可を得るためには、出入国管理及び難民認定法施行規則に定められた以下の要件をすべて充足する必要があります。
🔸 要件1:事業の継続性・安定性
- 法的基準:申請する事業が継続的に運営され、安定した収益を生み出すことが合理的に予測できること
- 審査ポイント:
- 事業計画の具体性・実現可能性
- 市場分析の適切性と競合分析
- 収支計画の合理性(少なくとも3年間の詳細な収支予測)
- 事業経験・専門知識の有無
- 必要書類:詳細な事業計画書(通常20-30ページ)、市場調査資料、契約書案等
🔸 要件2:事業所の独立性確保
- 法的基準:事業活動を行うための独立した事業所を日本国内に確保していること
- 審査ポイント:
- 事業所の物理的独立性(住居との明確な区分)
- 事業内容に適した立地・設備・規模
- 事業所使用権の法的確実性(賃貸借契約書の存在)
- 必要書類:賃貸借契約書、事業所平面図、登記事項証明書等
🔸 要件3:投資金額基準(500万円ルール)
- 法的基準:500万円以上の事業投資または同等の経済基盤があること
- 投資形態の選択肢:
- 資本金投資:会社設立時に500万円以上を資本金として出資
- 設備投資:既存事業の設備・備品等に500万円以上投資
- 複合投資:資本金+設備投資の合計が500万円以上
- 資金証明要件:
- 投資資金の出所証明(海外送金証明書、預金残高証明書等)
- 資金の正当性証明(所得証明書、事業売却証明書等)
🔸 要件4:事業規模・雇用創出効果
- 代替要件:500万円投資に加えて、以下のいずれかを満たすこと
- 常勤従業員2名以上の雇用(日本人・永住者・特別永住者・定住者)
- 事業規模の相当性(年商・取引規模等による総合判断)
1.3 在留期間と更新手続き
🔹 初回許可時の在留期間
- 通常:1年または3年(申請内容・事業計画の確実性により決定)
- 例外的に5年が許可される場合もあり(高度人材ポイント制該当者等)
🔹 更新申請の要件・注意点
- 事業実績の証明:決算書、確定申告書、納税証明書の提出必須
- 計画と実績の整合性:当初事業計画からの大幅な乖離は更新拒否事由となる可能性
- 継続的投資の維持:資本金・投資額の維持または増額が望ましい
2. 法人設立手続きの完全ガイド
2.1 法人形態の選択と比較検討
日本で事業を行う法人形態には複数の選択肢がありますが、経営管理ビザとの親和性を考慮した最適な選択が重要です。
🔸 株式会社設立のメリット・デメリット
メリット:
- 社会的信用度が高い
- 資金調達方法が豊富(増資、社債発行等)
- 経営管理ビザとの親和性が最も高い
- 将来的な事業拡大・IPOに対応可能
デメリット:
- 設立費用が高額(登録免許税15万円+定款認証費用等)
- 機関設計・運営が複雑
- 決算公告義務等のコンプライアンス負担
設立費用概算:約25万円~35万円
🔸 合同会社設立のメリット・デメリット
メリット:
- 設立費用が安価(登録免許税6万円)
- 機関設計が柔軟・運営が簡素
- 利益分配の自由度が高い
デメリット:
- 社会的認知度がやや低い
- 資金調達手段が限定的
- 将来的な組織変更時にコストが発生
設立費用概算:約10万円~15万円
2.2 会社設立の詳細プロセス
🔹 ステップ1:会社基本事項の決定
以下の事項について慎重に検討・決定する必要があります:
- 商号(会社名)の決定
- 同一住所での同一商号は登記不可
- 商標権侵害リスクの事前調査必須
- 英語名・略称の設定も検討
- 本店所在地の決定
- 事業活動に適した立地選択
- 将来的な移転可能性も考慮
- 登記簿上の住所表記方法の決定
- 事業目的の設定
- 将来的な事業展開を見据えた幅広い目的設定
- 許認可が必要な事業の事前確認
- 経営管理ビザ申請との整合性確保
- 資本金額の決定
- 経営管理ビザ要件(500万円以上)を考慮
- 事業資金需要と税務上の影響を総合判断
- 将来的な増資計画との整合性
- 役員構成の決定
- 取締役・監査役の員数・任期
- 代表取締役の選任方法
- 外国人役員の住所・印鑑登録等の準備
- 事業年度の設定
- 税務・会計上の便宜性を考慮
- 繁忙期・閑散期との関係
- 経営管理ビザ更新時期との調整
🔹 ステップ2:定款作成・認証手続き
定款は会社の根本規則を定めた文書であり、設立登記の必須書類です。
定款記載事項の分類:
- 絶対的記載事項(記載必須)
- 商号、目的、本店所在地、設立時出資額、発起人氏名・住所
- 相対的記載事項(記載すれば効力発生)
- 株式譲渡制限、役員任期、株主総会招集通知期間短縮等
- 任意的記載事項(任意記載)
- 株主優待制度、定時株主総会開催時期等
公証役場での定款認証プロセス:
- 公証役場への事前相談・予約
- 定款案の事前チェック(FAX・メール対応可)
- 公証人面前での定款認証(発起人全員の出頭または委任状による代理)
- 認証済み定款の受領(通常即日交付)
必要費用:
- 定款認証手数料:50,000円
- 定款印紙代:40,000円(電子定款の場合は不要)
- 定款謄本代:約2,000円
🔹 ステップ3:資本金払込み手続き
資本金の払込みは、定款認証後に発起人代表者の個人口座に行います。
払込み手続きの注意点:
- 払込期日の設定(定款認証日以降)
- 払込金額の正確性(1円単位での一致必要)
- 払込証明書類の作成(通帳コピー・残高証明書等)
- 外国送金の場合の送金証明書保管
🔹 ステップ4:設立登記申請
本店所在地を管轄する法務局に設立登記を申請します。
主要な申請書類:
- 設立登記申請書
- 認証済み定款
- 発起人決定書
- 設立時取締役・代表取締役選任決議書
- 設立時取締役就任承諾書
- 払込証明書
- 印鑑届出書
- 登録免許税納付用台紙
審査期間:通常1-2週間 登録免許税:資本金額×0.7%(最低150,000円)
🔹 ステップ5:設立後の各種届出
法人設立後は、以下の関係機関への届出が必要です:
税務関係:
- 税務署:法人設立届出書、青色申告承認申請書等(設立から2ヶ月以内)
- 都道府県税事務所:法人設立届出書(設立から1ヶ月以内)
- 市町村役場:法人設立届出書(設立から1ヶ月以内)
労務関係(従業員雇用時):
- 労働基準監督署:労災保険関係成立届
- ハローワーク:雇用保険関係成立届、雇用保険被保険者資格取得届
- 年金事務所:健康保険・厚生年金保険新規適用届
3. 経営管理ビザと会社設立の戦略的連携
3.1 申請タイミングの最適化
経営管理ビザ申請と会社設立のタイミングは、申請者の現在の在留状況により異なる戦略が必要です。
🔸 パターン1:海外からの新規申請(在留資格認定証明書交付申請)
推奨手順:
- 事業所確保・賃貸借契約締結
- 会社設立手続きの完了
- 事業準備(設備導入・人材確保等)
- 在留資格認定証明書交付申請
- 認定証明書交付後、査証申請・入国
メリット:会社設立完了後の申請により、事業実体の明確性を示せる 所要期間:約3-6ヶ月
🔸 パターン2:国内からの在留資格変更申請
推奨手順:
- 現在の在留資格での滞在中に準備開始
- 事業所確保・会社設立手続き
- 事業開始準備
- 在留資格変更許可申請(現在の在留期限の3ヶ月前から可能)
メリット:国内滞在を継続しながら準備可能 注意点:現在の在留資格での活動制限に注意
3.2 事業計画書作成の戦略的アプローチ
経営管理ビザ申請における事業計画書は、単なる形式的書類ではなく、申請許可の核心となる重要書類です。
🔹 事業計画書の必須構成要素
- エグゼクティブサマリー
- 事業概要・特徴の簡潔な説明
- 市場機会と事業の独自性
- 経営陣の経験・専門性
- 資金計画・収益予測の概要
- 事業環境分析
- 市場規模・成長性の定量分析
- 競合分析・差別化要因
- SWOT分析による事業機会の特定
- 法規制・業界動向の影響評価
- 事業戦略・実行計画
- 具体的な事業内容・提供価値
- マーケティング戦略・販売計画
- オペレーション体制・品質管理
- 人材採用・組織開発計画
- 財務計画・資金調達
- 設立時資金需要・調達計画
- 3-5年間の詳細収支予測
- 損益分岐点分析・感度分析
- キャッシュフロー計画
- リスク管理・継続性確保
- 主要リスク要因の特定・対策
- 事業継続性確保の仕組み
- 財務リスク管理体制
- 法務コンプライアンス体制
🔹 業種別事業計画のポイント
IT・ソフトウェア業:
- 技術的優位性・特許・知的財産の明示
- 開発体制・品質保証プロセス
- クラウド・SaaS等の収益モデル説明
貿易・輸出入業:
- 取引先・供給網の安定性証明
- 為替リスク・カントリーリスク対策
- 物流・在庫管理システム
飲食業:
- 立地分析・商圏調査結果
- 食材調達・品質管理体制
- 衛生管理・法規制遵守体制
製造業:
- 生産技術・品質管理システム
- 原材料調達・サプライチェーン
- 環境規制・安全管理体制
4. 行政書士法人塩永事務所の包括的サポートサービス
4.1 経営管理ビザ申請専門サポート
🔸 申請前戦略コンサルティング
- 個別事情分析:申請者の経歴・資金状況・事業構想の詳細ヒアリング
- 許可可能性診断:法的要件充足性の事前評価・リスク要因分析
- 最適申請戦略立案:申請タイミング・必要書類・事業計画の方向性決定
- 代替案提示:要件充足困難な場合の代替的解決策提案
🔸 事業計画書作成プロフェッショナルサポート
- 市場調査支援:業界動向・競合分析・市場規模調査の実施支援
- 財務モデル構築:収支計画・資金繰り計画の専門的作成支援
- 事業計画書ライティング:入管審査官の視点を踏まえた説得力ある文書作成
- プレゼンテーション資料作成:事業内容の視覚的説明資料作成
🔸 申請書類作成・審査対応
- 申請書類完全作成:在留資格認定証明書交付申請書・変更許可申請書等
- 添付書類収集支援:必要書類リスト作成・取得方法指導・翻訳手配
- 申請代理・審査対応:出入国在留管理局への申請代理・追加資料対応
- 審査進捗管理:申請状況確認・審査期間短縮のための積極的対応
4.2 法人設立ワンストップサポート
🔸 設立前準備・戦略立案
- 法人形態選択コンサルティング:事業内容・税務・将来計画を総合した最適選択支援
- 会社基本事項決定支援:商号・目的・資本金等の戦略的決定サポート
- 事業所選定アドバイス:立地選定・賃貸借契約・レイアウト設計の助言
🔸 設立手続き完全代行
- 定款作成・認証手続:法的要件を満たす定款作成・公証役場手続代理
- 資本金払込サポート:払込手続指導・証明書類作成支援
- 登記申請書類作成:提携司法書士による設立登記申請書類完全作成
- 設立後届出代行:税務署・自治体・労務関係の各種届出手続代行 専門士業連携
🔸 設立後運営サポート
- 税務・会計体制構築:提携税理士による税務申告・会計処理体制整備
- 労務管理体制構築:提携社労士による労働保険・社会保険手続・就業規則作成
- 許認可申請支援:事業に必要な各種許認可の申請手続支援
- 継続的コンプライアンスサポート:法令遵守体制・内部統制システム構築支援
4.3 国際業務・多言語対応サービス
🔸 多言語コミュニケーション体制
- 英語対応:英語でのコンサルティング・書類作成・官公庁対応
- 中国語対応:中国語(簡体字・繁体字)での各種サポート
- 韓国語対応:韓国語での相談・手続支援(提携通訳を通じて)
- その他言語:ベトナム語・タイ語等の主要言語について通訳手配可能
🔸 海外書類・証明書取得支援
- 領事認証・アポスティーユ手続:海外書類の日本国内での有効性確保手続
- 翻訳サービス:公的書類・契約書・財務書類等の正確な日本語翻訳
- 海外金融機関との連携:海外からの送金・残高証明書取得等の支援
- 海外税務・法務相談:国際税務・クロスボーダー取引の法的アドバイス
5. 成功事例・実績紹介
5.1 業種別成功事例
🔹 IT・テクノロジー業界
事例1:AIスタートアップ企業(アメリカ人創業者)
- 背景:シリコンバレーでAI開発に従事していた技術者が日本市場進出を決断
- 課題:高度な技術内容の事業計画書作成・日本市場分析
- 解決策:技術的優位性を明確化した事業計画書・詳細な市場参入戦略立案
- 結果:初回申請で3年ビザを取得・現在従業員15名の急成長企業
事例2:Eコマースプラットフォーム開発(韓国人起業家)
- 背景:韓国で成功したECプラットフォームの日本展開
- 課題:既存システムの日本市場適合性・競合分析
- 解決策:ローカライゼーション戦略・段階的市場参入計画の策定
- 結果:1年後に大手小売チェーンとの業務提携成立
🔹 製造・貿易業界
事例3:精密機械部品製造(ドイツ人経営者)
- 背景:ドイツの精密機械技術を活用した日本での製造事業
- 課題:大規模設備投資・技術移転・品質管理体制の構築
- 解決策:段階的投資計画・技術供与契約・ISO認証取得戦略
- 結果:自動車部品メーカーとの長期供給契約締結
🔹 飲食・サービス業界
事例4:高級フレンチレストラン(フランス人シェフ)
- 背景:ミシュラン星付きレストランでの経験を活かした独立開業
- 課題:立地選定・初期投資・人材確保・食材調達ルート確立
- 解決策:詳細な商圏分析・段階的店舗展開計画・供給網構築戦略
- 結果:開業1年でミシュランガイド掲載・2店舗目の開業準備中
5.2 困難案件の解決実績
🔹 初回申請不許可からの再申請成功
事例5:コンサルティング業(インド人経営者)
- 不許可理由:事業計画の具体性不足・継続性への疑問
- 再申請戦略:
- 既存クライアントとの契約書取得
- 詳細な収支予測・市場分析の再構築
- 事業実績の段階的積み重ね証明
- 結果:再申請で許可取得・現在年商3億円規模に成長
6. よくある質問(FAQ)
6.1 経営管理ビザ関連
Q1. 経営管理ビザの申請から許可までの期間はどのくらいですか?
A1. 申請種類により異なります:
- 在留資格認定証明書交付申請:1-3ヶ月
- 在留資格変更許可申請:2週間-2ヶ月
- 在留期間更新許可申請:2週間-1ヶ月
ただし、追加書類提出や審査の複雑性により期間が延長される場合があります。
Q2. 500万円の投資金額は現金で用意する必要がありますか?
A2. 必ずしも現金である必要はありません:
- 会社の資本金として出資
- 事業用設備・備品への投資
- 事業所保証金・敷金等
- これらの組み合わせで500万円以上の投資実績を示すことが可能です
Q3. 家族も一緒に日本に住むことは可能ですか?
A3. 可能です。配偶者・子どもは「家族滞在」ビザを取得できます:
- 配偶者:パートタイム就労可能(資格外活動許可取得後)
- 子ども:日本の学校への就学可能
- 扶養義務:経営管理ビザ取得者が生活費を負担する必要があります
6.2 会社設立関連
Q4. 会社設立にはどのくらいの期間と費用がかかりますか?
A4. 法人形態により異なります:
株式会社の場合:
- 期間:2-4週間
- 費用:約25-35万円(登録免許税・定款認証費用等含む)
合同会社の場合:
- 期間:1-2週間
- 費用:約10-15万円
Q5. 外国人でも会社の代表取締役になれますか?
A5. 可能です。ただし以下の要件があります:
- 日本国内に住所があること(住民票が必要)
- 印鑑登録ができること
- 適切な在留資格を有すること
6.3 事業運営関連
Q6. 会社設立後、すぐに従業員を雇用する必要がありますか?
A6. 法的義務ではありませんが、以下の観点から検討が必要です:
- 経営管理ビザ更新時の審査で事業規模が評価される
- 常勤従業員2名雇用により投資要件の代替が可能
- 事業拡大のための人材確保は競争力向上に寄与
Q7. 経営管理ビザで設立した会社が赤字の場合、ビザ更新に影響しますか?
A7. 直ちに更新拒否となるわけではありませんが:
- 赤字の理由・改善計画の明確な説明が必要
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