
2025年における日本のビザ申請と在留資格:最新動向と手続きの要点
日本への入国・在留を希望する外国人にとって、適切なビザと在留資格の取得は、日本での生活をスムーズに始めるための必須条件です。2025年現在、日本の出入国在留管理庁(以下、入管庁)と外務省は、手続きのデジタル化を推進しつつ、審査をより厳格化しています。
この記事では、2025年における日本のビザ申請と在留資格に関する最新動向、申請要件、および手続きのポイントを詳しく解説します。
1. ビザと在留資格の違いを理解する
日本の入国管理制度では、「ビザ(査証)」と「在留資格」は明確に異なる役割を持っています。
- ビザ:日本国外の日本大使館や領事館が発行する「入国推薦状」です。パスポートに貼付され、日本への入国審査をスムーズにするためのものです。ビザがあっても、入国審査で許可されなければ入国できません。
- 在留資格:入管庁が日本国内での活動を許可する「滞在許可」です。外国人が日本で生活し、働く、学ぶ、家族と住むといった特定の活動を行うための法的根拠となります。
在留資格は2025年現在、約30種類に分類されており、活動内容や滞在期間によって細かく分かれています。
- 就労系:技術・人文知識・国際業務、特定技能、高度専門職、経営・管理など
- 非就労系:留学、家族滞在、文化活動など
- 身分系:永住者、日本人の配偶者等、定住者など
- 短期滞在:観光、短期商用、親族訪問など(最長90日)
特に、2024年に導入され2025年に申請が増加しているデジタルノマドビザや、優秀な人材向けの高度専門職ビザ(J-Skip、J-Find)は注目すべき在留資格です。
2. 2025年におけるビザ・在留資格の主要な動向
2025年の最新動向として、以下の5つが挙げられます。
(1) デジタルノマドビザ(特定活動)の定着
2024年に導入されたデジタルノマドビザは、リモートワーカーやフリーランスを対象とした新しい在留資格です。年収1,000万円以上の要件を満たす外国人に最長6か月の滞在が許可され、配偶者や子どもの同伴も認められます。今後、申請件数がさらに増加すると見込まれます。
(2) eVISAの対象国拡大と利用増加
オンラインでビザを申請できるeVISAは、2025年までにオーストラリア、ブラジル、カナダ、シンガポール、米国、英国など、10以上の国・地域に拡大されました。短期滞在ビザに限定されますが、手続きの簡素化と迅速化に貢献しています。ただし、書類のデジタル化と正確な入力が必須であり、不備があると審査が遅れる原因となります。
(3) 在留資格申請手数料の改定
2025年4月1日より、在留資格の申請手数料が改定されました。例えば、在留期間更新や在留資格変更の手数料は、4,000円から6,000円に引き上げられています。申請者は、この費用増加を念頭に置いた予算計画が必要です。
(4) 高度人材向け優遇措置の強化
高度専門職ビザ(J-Skip、J-Find)は、ポイント制に基づき、高度なスキルや学歴を持つ外国人材を積極的に受け入れる制度です。2025年には、ポイント基準の緩和や申請プロセスの迅速化が進み、永住権申請までの期間が最短1年に短縮されるケースが増えています。
(5) 万博2025と短期滞在ビザの需要
2022年10月の入国規制撤廃以降、日本への入国者数は回復傾向にあります。2025年に開催される大阪・関西万博に伴い、観光や短期商用目的の短期滞在ビザの需要が急増しています。日本とビザ免除協定を結んでいる68の国・地域の国民は、引き続き90日以内の滞在が可能です。
3. ビザ申請・在留資格取得の要件と流れ
(1) ビザ申請の要件
ビザ申請には、目的(観光、就労、留学など)に応じた書類の準備が必須です。
- 主な必要書類: パスポート、ビザ申請書、証明写真、招聘状、行程表、財務証明書など
- 在留資格の適合性: 申請するビザが、日本での活動内容と一致していることが求められます。
- 健康要件: 一部の国籍の申請者は、結核スクリーニング検査が義務付けられています。
(2) 在留資格取得の要件
- 在留資格認定証明書(COE): 就労や留学など、長期滞在を希望する場合、日本国内の受入機関(雇用主、学校など)が事前にCOEを入管庁に申請する必要があります。COEの取得には通常1〜3か月かかり、発行後3か月以内に入国しなければなりません。
- 財務的安定性: 申請者が日本での生活を維持できるだけの十分な資金を証明する必要があります。
- 法的遵守: 過去の犯罪歴や税金・社会保険料の滞納がないことが審査されます。
(3) 申請手続きの流れ
ビザ申請:
- 書類準備: 申請目的に応じた書類を収集します。
- 申請提出: 居住地の日本大使館・領事館、またはeVISA対応国はオンラインで申請します。
- 審査結果通知: 申請から発行まで通常5〜7営業日かかりますが、追加書類が必要な場合は1か月以上かかることもあります。
在留資格申請:
- COE申請: 日本国内の受入機関が、雇用契約書や会社の登記簿謄本などの書類を添えて入管庁に申請します。
- 入国後の手続き: 日本に入国する際、空港で在留資格が決定され、在留カードが交付されます。
- 在留期間更新・変更: 在留期間の更新や在留資格の変更は、有効期限の3か月前から入管庁に申請できます。審査には通常2〜4週間かかります。
4. 申請時の重要な注意点
- 書類の正確性: 申請書類に不備や虚偽の記載があると、申請が却下されたり、将来の入国が制限されたりする可能性があります。
- 期限の厳守: ビザや在留資格の有効期限を常に確認し、早めに更新申請を行いましょう。期限切れは不法滞在となり、強制退去のリスクを伴います。
- 在留カードの管理: 中長期滞在者は、在留カードを常に携帯し、住所や個人情報に変更があった場合は14日以内に届け出る必要があります。
行政書士法人塩永事務所のサポート
行政書士法人塩永事務所は、ビザ・在留資格手続きの専門家として、お客様の日本での新しい生活をサポートします。
- ビザ申請の代行: 短期滞在ビザ、就労ビザ、eVISAなど、各種ビザ申請の書類作成・提出を代行します。
- 在留資格手続き支援: 在留資格認定、変更、更新、永住権申請まで、専門的な知見に基づきトータルでサポートします。特に、高度専門職の申請に強みを持っています。
- 個別コンサルティング: 申請者の状況に合わせた最適な在留資格を選定し、戦略を提案します。
- 入国後のフォロー: 在留カードの取得、住所登録、再入国許可申請など、入国後の手続きについても支援します。
ビザ申請や在留資格に関するご相談は、行政書士法人塩永事務所にお気軽にお問い合わせください。