
技能実習生から特定技能への移行ガイド:申請のポイントと注意点
熊本市中央区の行政書士法人塩永事務所です。近年、技能実習生から特定技能への在留資格変更に関するご相談が急増しています。この記事では、2025年時点の最新情報に基づき、技能実習生が特定技能へスムーズに移行するための要件、手続きの流れ、必要書類、そして企業側が準備すべき事項を専門家の視点から徹底的に解説します。
1. 特定技能制度とは?
特定技能は、2019年4月に創設された在留資格で、日本国内で人手不足が特に深刻な12分野(※2025年4月現在)における外国人労働者の受け入れを目的としています。
- 特定技能1号:
- 在留期間: 最長5年
- 技能レベル: 相当程度の知識または経験
- 家族帯同: 原則不可
- 特徴: 技能実習を修了した外国人の主要な移行先です。
- 特定技能2号:
- 在留期間: 更新制(実質的に上限なし)
- 技能レベル: 熟練した技能
- 家族帯同: 可能(配偶者、子)
- 特徴: 現在は「建設」「造船・舶用工業」の2分野に限られていますが、今後対象分野の拡大が検討されています。
2. 技能実習から特定技能への移行のメリット
特定技能制度は、労働者としての権利保護を重視しており、技能実習生にとってより安定した条件で働くことが可能になります。
- キャリアアップ: 日本で培った専門スキルを活かし、同じ分野で引き続き働くことができます。
- 雇用安定: 技能実習とは異なり、労働者としての権利がより強く保護されます。
- 企業メリット: 企業は、即戦力となる優秀な人材を継続して雇用できます。
3. 特定技能への移行要件と試験免除
技能実習生が特定技能への在留資格変更許可を受けるためには、以下の2つの条件を必ず満たす必要があります。これらの条件を満たせば、通常求められる技能試験と日本語試験が免除されます。
要件1: 技能実習2号を「良好に」修了していること
これは、技能実習計画に基づき、定められた期間(原則2年以上)を問題なく修了していることを意味します。具体的には、在留期間中の不正行為(不法就労、犯罪など)や失踪、途中帰国がなく、真面目に実習に取り組んでいたことが求められます。技能実習評価試験(実技・学科)に合格していることも重要です。
要件2: 技能実習で培った分野と「同一」または「関連する分野」で就労すること
例えば、介護分野で技能実習を行っていた方は、特定技能としても介護分野での就労が可能です。異なる分野への変更は、原則として認められません。
4. 移行手続きの流れ(2025年版)
在留資格変更の手続きは、以下のステップで進みます。
- 技能実習2号修了の確認: 在籍していた監理団体を通じて「技能実習修了証明書」を発行してもらいます。
- 新しい受入企業との雇用契約締結: 特定技能として就労する企業と雇用契約を結びます。労働条件が特定技能の基準に合致しているかを確認します。
- 支援計画の策定: 外国人への支援は義務付けられています。企業が自社で支援を行うか、または登録された**「登録支援機関」**に委託します。
- 在留資格変更許可申請書類の作成・提出: 必要な書類をすべて揃え、申請者の居住地を管轄する出入国在留管理局に提出します。
- 審査・許可: 提出された書類に基づき、出入国在留管理庁が審査を行います。通常、審査期間は1〜3ヶ月ですが、状況によっては長引くこともあります。
- 新しい在留カードの受領: 審査が許可されると、新しい在留カードが交付され、移行が完了します。
5. 申請に必要な書類(一部抜粋)
申請には多岐にわたる書類が必要です。以下は主な書類の一例です。
- 在留資格変更許可申請書
- 技能実習修了証明書
- 特定技能外国人との雇用契約書
- 特定技能外国人支援計画書
- 受入れ企業に関する書類(登記事項証明書、決算報告書など)
- その他、個別の状況に応じた書類
⚠️ 特に注意すべき点: 受入れ企業の体制が特定技能外国人を受け入れる基準を満たしていない場合、申請が不許可となるケースがあります。事前の確認と準備が非常に重要です。
6. 行政書士法人塩永事務所のサポート内容
特定技能への移行手続きは、専門的な知識と複雑な手続きが絡み合います。当事務所では、外国人本人と受入れ企業の双方を丁寧にサポートするため、以下のトータルサポートを提供しています。
- 在留資格変更の適否チェック: 申請者の状況や企業の受入れ体制が要件を満たしているかを事前に確認します。
- 必要書類一式の作成・翻訳: 入管が求める形式に沿った書類を正確に作成します。
- 支援計画の策定支援: 企業様や登録支援機関と連携し、適切な支援計画の策定をサポートします。
- 出入国在留管理局への申請代理: 複雑な申請手続きを代行し、お客様の負担を軽減します。
7. まずはお気軽にご相談ください
技能実習から特定技能への移行は、外国人労働者にとってのキャリアアップであり、受入れ企業にとっては優秀な人材を確保する上で非常に重要なステップです。しかし、些細なミスが不許可につながることもあります。
熊本での在留資格変更手続きでお困りでしたら、豊富な実績と専門知識を持つ行政書士法人塩永事務所へ、まずはお気軽にご相談ください。お客様の状況に合わせた最適なサポートをご提案いたします。