簡易宿所の許可申請手続きの詳細ガイド

行政書士法人塩永事務所

はじめに

民泊事業や簡易宿泊施設の運営を検討されている方にとって、簡易宿所の許可取得は重要な第一歩です。本記事では、簡易宿所の許可申請手続きについて、行政書士の専門的な観点から詳しく解説いたします。

簡易宿所とは

簡易宿所とは、旅館業法に基づく営業許可の一種で、宿泊者の入れ替わりが多く、寝具を使用して宿泊サービスを提供する施設を指します。民泊、カプセルホテル、ゲストハウス、ユースホステルなどが該当します。

許可申請の流れ

1. 事前相談・調査段階

立地調査

用途地域の確認（住居系地域での制限事項）
建築基準法・消防法・その他関連法令の適合性確認
近隣住民への配慮事項の検討

事前相談

保健所での事前相談（必須）
消防署での事前相談
建築指導課での確認

2. 必要書類の準備

基本書類

営業許可申請書
申請者の住民票（法人の場合は登記事項証明書）
医師の診断書（感染症に関する検査結果）
欠格事由に該当しない旨の誓約書

施設関連書類

施設の構造設備を明らかにする図面
- 配置図（縮尺1/500以上）
- 平面図（縮尺1/100以上）
- 正面図・側面図
- 給排水設備図
施設付近の見取図
建築確認済証の写し
検査済証の写し（新築・改築の場合）

権利関係書類

土地・建物の登記事項証明書
賃貸借契約書（賃借物件の場合）
所有者の同意書（賃借物件の場合）

3. 構造設備基準への適合

客室関係

客室の床面積：一人当たり3.3㎡以上
寝具の数：定員数以上
適切な換気・採光・照明設備
出入口の設置（避難経路の確保）

共用設備

洗面設備（客室定員10人に対して1個以上）
便所設備（客室定員10人に対して1個以上）
浴室設備（客室定員20人に対して1個以上）
玄関帳場の設置または代替措置

衛生設備

換気設備の整備
給水・排水設備の適切な配置
清掃用具の保管場所
汚物処理設備

4. 消防法への適合

消防設備

消火器の設置
自動火災報知設備（規模により）
避難器具の設置
誘導灯の設置
防火管理者の選任（必要に応じて）

防火対策

防火区画の設置
内装制限への適合
避難経路の確保
非常用照明装置の設置

5. 申請手続きの実施

申請先

所在地を管轄する保健所

申請時の注意点

事前に電話予約を取る
必要書類は正副2部用意
申請手数料の準備（自治体により異なる）
担当者との面談準備

審査期間

標準的な審査期間：2週間～1ヶ月程度
補正が必要な場合は追加期間が必要

6. 現地調査・検査

保健所による現地調査

構造設備基準への適合確認
衛生管理体制の確認
帳場業務の確認

消防署による査察

消防設備の適合確認
避難経路の確認
防火管理体制の確認

許可後の義務

営業開始後の手続き

営業開始の届出

営業開始から10日以内に保健所へ届出

帳簿の作成・保存

宿泊者名簿の作成・保存（3年間）
営業日誌の作成・保存

定期報告

年1回の営業状況報告書の提出

継続的な義務

衛生管理

施設・設備の清潔保持
寝具類の適切な管理
感染症予防対策の実施

構造設備の維持

許可時の構造設備基準の維持
変更時の事前相談・届出

行政書士によるサポート

当事務所のサービス内容

事前コンサルティング

立地調査・法令適合性の確認
事業計画の法的検討
許可取得可能性の判断

申請書類の作成・提出代行

必要書類の作成・収集
関係機関との調整
申請手続きの代行

許可取得後のサポート

営業開始手続きの支援
継続的な法務相談
変更手続きの対応

専門家に依頼するメリット

時間の短縮

複雑な手続きの効率化
補正リスクの最小化
関係機関との円滑な調整

確実性の向上

法令知識に基づく適切な対応
最新の法改正情報への対応
許可取得の成功率向上

継続的なサポート

営業開始後の法務相談
事業拡大時の手続き支援
トラブル発生時の対応

まとめ

簡易宿所の許可申請は、多くの法令への適合が求められる複雑な手続きです。特に、旅館業法、建築基準法、消防法など、複数の法令にまたがる要件を満たす必要があります。

当事務所では、豊富な経験と専門知識を活かし、お客様の簡易宿所開業を全面的にサポートいたします。事前相談から許可取得、営業開始後の継続的なサポートまで、ワンストップでサービスをご提供いたします。

簡易宿所の開業をご検討の際は、ぜひ行政書士法人塩永事務所までお気軽にご相談ください。

行政書士法人塩永事務所
簡易宿所・民泊許可申請専門
お客様の事業成功を法的側面から全力でサポートいたします。