
【2024年最新版】酒類の輸出入に必要な免許について
通信販売酒類小売業免許の制約と輸出入ニーズ
通信販売酒類小売業免許には、取り扱える酒類に多くの制限があります。そのため、国内向けの酒類販売よりも、海外からの酒類の輸入や、日本産酒類の海外輸出を検討する事業者が増えています。
たとえば、すでに食品や雑貨などを海外に輸出している企業が、新たに酒類も取り扱いたいと考えるケース。また、日本法人を設立している外国人が、母国へ日本酒を輸出したい、あるいは母国から酒類を輸入したいという相談も多く寄せられています。
当事務所では、酒類販売業免許申請を専門業務として取り扱っており、こうした多様な事例に対応しています。
輸出入酒類卸売業免許とは?
酒類販売業免許は大きく分けて以下の2種類があります:
区分 | 内容 |
---|---|
小売業免許 | 一般消費者や飲食店などへの販売 |
卸売業免許 | 酒類販売業者や製造業者への販売 |
さらに、卸売業免許の中には「輸出入酒類卸売業免許」があり、以下のように分類されます:
- 輸入酒類卸売業免許:海外から酒類を仕入れ、国内の酒類販売業者へ卸売する
- 輸出酒類卸売業免許:日本国内で製造された酒類を海外へ輸出・販売する
※「酒類販売媒介業免許」も存在しますが、該当するケースは非常に稀なため、ここでは割愛します。
免許取得時の注意点
輸出入酒類卸売業免許の取得には、基本的に他の卸売業免許と同様の要件が求められますが、貿易業務の経験が審査で確認される点が特徴です。
- 必須ではありませんが、すでに貿易事業を行っている方が対象となるケースが多く、審査もスムーズです。
- 貿易経験がない場合でも、具体的な事業スキームを提示することで申請は可能です。
取引承諾書の取得について
申請時には、以下のような取引承諾書が必要です:
免許区分 | 仕入先 | 販売先 |
---|---|---|
輸入卸売 | 海外の酒類メーカー等 | 国内の酒類販売業者 |
輸出卸売 | 国内の酒造メーカー等 | 海外のインポーター等 |
- 少なくとも、仕入先・販売先それぞれ1社からの承諾書が必要です。
- 「免許取得後に取引先を探す」という段階では申請できません。事前に取引関係を構築しておく必要があります。
販売場の要件
酒類販売業免許は、販売業務を行う場所(販売場)に対して付与される免許です。
- たとえば、法人の本店が東京都港区にあり、販売業務を北海道で行う場合は、北海道の販売場を管轄する税務署に申請します。
- 「会社名義で免許を取得すれば全国どこでも販売できる」と誤解されている方が多いですが、これは誤りです。
- 店舗を持たず事務所のみで販売する場合でも、販売場の所在地が明確である必要があります。
この場所要件が申請のハードルとなるケースが非常に多く見受けられます。
まとめ
酒類の輸出入ビジネスは年々注目度が高まっており、免許申請に関するお問い合わせも増加しています。ただし、酒類販売業免許は制度が複雑で、実務経験がないと見落としがちなポイントも多く存在します。
お近くに酒類販売業免許に詳しい行政書士が見つからない場合は、ぜひ当事務所へご相談ください。電話・メール・郵送でのやり取りにより、全国対応が可能です。