
JAPHICマーク認証の詳細について
はじめに
デジタル化が進む現代において、個人情報保護は企業にとって必要不可欠な取り組みとなっています。特に、個人情報保護法の度重なる改正により、事業者にはより厳密な個人情報の取り扱いと安全管理措置が求められるようになりました。こうした状況の中で、第三者認証制度として注目を集めているのが「JAPHICマーク認証」です。
本記事では、行政書士法人塩永事務所の視点から、JAPHICマーク認証の詳細について分かりやすく解説いたします。
JAPHICマーク認証とは
JAPHICマーク認証は、個人情報保護委員会に認められた認定個人情報保護団体であるJAPHICマーク認証機構が運営する第三者認証制度です。2021年7月28日付けで個人情報保護委員会より正式に認定を受けており、個人情報保護法第37条の規定に基づく認定個人情報保護団体として、事業者の個人情報の適正な取り扱いの確保を目的とした業務を行っています。
この認証制度は、個人情報保護法を基準とする「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」(個人情報保護委員会)に準拠している事業者を認定する第三者認証であり、従来のプライバシーマーク(Pマーク)に代わる新しい選択肢として位置づけられています。
JAPHICマークの種類
JAPHICマークには、以下の2種類があります:
1. JAPHICマーク
一般的な事業者が取得する基本的なマークで、個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(個人情報保護委員会)に準拠しています。
2. JAPHICマークメディカル
医療・介護関係事業者を対象とした専用のマークで、厚生労働省管轄の医療・介護関係事業者が使用します。「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」(厚生労働省)に準拠しています。
JAPHICマーク認証の特徴
1. 低コスト
従来のプライバシーマークと比較して、低コストで取得可能です。
2. 短期間での取得
取得期間は1〜2ヶ月程度と短く、迅速な認証取得が可能です。
3. 個人事業主も対象
個人事業主から中小企業、大企業まで幅広い事業者が対象となります。
4. 現実的な審査基準
現実的で明確な審査基準により、あらゆる法人が第三者認証を取得することができます。
申請資格
JAPHICマーク認証を申請できる事業者は、以下の条件を満たす必要があります:
対象となる事業者
- 個人情報の保護に関する法律についてのガイドラインの対象となる事業者
- JAPHICマークメディカルの対象となる事業者は除外
欠格事項
次に示す欠格事項のいずれにも該当しない事業者であること:
- 申請の日前2年以内にJAPHICマーク認証の取り消しを受けた事業者
- 申請の日前2年以内に個人情報の取り扱いにおいて個人情報及び特定個人情報の外部への重大な漏えい、その他本人の利益の重大な侵害を行った事業者
認証取得までの流れ
1. 申請前の準備
申請前に必ずJAPHICマーク認証に関する概要を理解し、同意いただける場合のみ手続きを進めます。
2. 申請手続き
JAPHICマーク認証機構の専用フォームから申請を行います。
3. 審査
審査機関による書面審査及び必要に応じた現地調査が実施されます。
4. 判定
判定会議により合否が決定されます。
5. 認証
合格の場合、年会費の支払いにより認証書が発行され、マークの使用が認められます。
6. 認証日
認証日は毎月1日となっており、審査を完了した月の翌月1日が認証日となります。
費用について
JAPHICマーク認証の費用は、審査申請料と年会費から構成されています。詳細な費用については、審査機関またはJAPHICマーク認証機構までお問い合わせください。
なお、JAPHICマークは1年ごとに審査を受ける必要があり、継続のための年会費が必要となります。
JAPHICマーク認証のメリット
1. 企業の信頼性向上
第三者認証により、個人情報保護に対する企業の取り組みを客観的に証明できます。
2. 取引機会の拡大
官公庁の入札案件や企業間取引において、個人情報保護の第三者認証が求められるケースが増加しており、ビジネス機会の拡大につながります。
3. 法令遵守の確保
個人情報保護法に準拠した体制構築により、法令違反リスクを軽減できます。
4. 従業員の意識向上
認証取得プロセスを通じて、従業員の個人情報保護に対する意識向上が図れます。
注意点
1. 継続的な運用
認証取得後も、個人情報保護体制の維持・運用が必要です。
2. 年次審査
1年ごとに審査を受ける必要があり、継続的な取り組みが求められます。
3. 体制の整備
認証基準に適合する個人情報保護体制の構築・維持が必要です。
行政書士法人塩永事務所のサポート
当事務所では、JAPHICマーク認証の取得をお考えの事業者様に対して、以下のサポートを提供しています:
- 認証取得の可否判断
- 現在の個人情報保護体制の評価
- 認証要件との適合性確認
- 必要書類の作成支援
- 個人情報保護方針の策定
- 社内規程の整備
- 申請書類の作成支援
- 体制整備のアドバイス
- 個人情報保護管理体制の構築
- 従業員教育の実施方法
- 安全管理措置の整備
- 継続的な運用支援
- 年次審査への対応
- 社内監査の実施支援
- 法改正への対応
まとめ
JAPHICマーク認証は、個人情報保護法に準拠した新しい第三者認証制度として、従来のプライバシーマークと比較して低コストで短期間での取得が可能な制度です。個人事業主から大企業まで幅広い事業者が対象となり、現実的な審査基準により多くの企業が認証を取得できる仕組みとなっています。
デジタル化が進む現代において、個人情報保護は企業の重要な責務となっており、JAPHICマーク認証の取得は企業の信頼性向上と取引機会の拡大に大きく寄与します。
当事務所では、JAPHICマーク認証の取得を検討されている事業者様に対して、専門的な知識と経験を活かしたサポートを提供しております。認証取得に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。
行政書士法人塩永事務所
個人情報保護・第三者認証に関するご相談は、豊富な実績を持つ当事務所にお任せください。お客様のビジネスに最適な個人情報保護体制の構築をサポートいたします。