
フィリピン人との国際結婚における費用や手続き・注意点などを解説
美しいビーチや豊かな文化が魅力のフィリピン。温厚で親しみやすい国民性から、フィリピン人と国際結婚をする日本人も増えています。しかし、フィリピン人との結婚には日本とフィリピンの両国での手続きが必要で、特に「配偶者ビザ」の取得には多くの書類と厳格な審査が求められます。この記事では、フィリピン人との国際結婚の手続き方法や注意点を、日本式・フィリピン式に分けて詳しく解説します。
フィリピン人との婚姻について
1980年代以降、旅行やビジネスでフィリピンを訪れる日本人や、日本で働くフィリピン人が増えたことで、国際結婚が急増しました。フィリピンはキリスト教徒が国民の多数を占め、結婚に対する考え方や法律が日本と異なるため、手続きが複雑に感じられることもあります。
フィリピンにおける婚姻要件
フィリピンでは以下の条件が定められています:
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18歳以上で結婚が可能。
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18~20歳:両親の同意書が必要。
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21~25歳:両親の承諾書が必要。
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フィリピンでは「離婚」の概念がなく、結婚観や法律が日本と大きく異なる点に注意が必要です。
国際結婚の手続き:2つのパターン
フィリピン人との国際結婚では、日本とフィリピンの両国で婚姻手続きを行い、「配偶者ビザ」を取得する必要があります。手続きには以下の2つの方法があります:
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日本先行での手続き(日本方式)
日本に滞在中のフィリピン人パートナーと結婚する場合に適しており、手続きがスムーズで、日本での滞在継続が可能なメリットがあります。 -
フィリピン先行での手続き(フィリピン方式)
フィリピンで先に手続きを行う場合、結婚許可証の発行に約10日、戸籍反映に約2ヶ月かかるため、長期滞在が必要です。
日本方式:日本先行での手続き
日本方式は、フィリピン人パートナーが日本に滞在している場合に多く選ばれます。以下に、手続きの流れと必要書類を解説します。
手続きの流れ
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市区町村役場に必要書類を確認
提出先の役場で必要書類や注意点を事前に確認。 -
駐日フィリピン大使館で「婚姻要件具備証明書」を取得
日本人とフィリピン人が揃って申請。 -
市区町村役場に「婚姻届」を提出
日本の婚姻手続きを完了。 -
駐日フィリピン大使館に「婚姻届」を提出
フィリピン側に婚姻を報告。 -
出入国在留管理局で「配偶者ビザ」を申請
日本での長期滞在を可能にするビザ申請。
必要書類
駐日フィリピン大使館に提出
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日本人が用意する書類:
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パスポート(原本+コピー1部)
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戸籍謄本(発行3ヶ月以内、原本+コピー1部)
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証明写真3枚(パスポートサイズ)
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離婚歴がある場合:改正原戸籍または除籍謄本
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フィリピン人が用意する書類:
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申請用紙
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PSA発行の出生証明書(フィリピン外務省認証済み、原本+コピー1部)
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PSA発行の独身証明書(フィリピン外務省認証済み、原本+コピー1部)
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パスポート、在留カード、証明写真3枚
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18~25歳の場合:両親の同意書または承諾書
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離婚歴がある場合:婚姻記録証明書、離婚承認注釈付き結婚証明書、裁判所発行の離婚承認審判書など
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市区町村役場に提出
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日本人が用意する書類:
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婚姻届
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戸籍謄本(本籍地と異なる場合)
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フィリピン人が用意する書類:
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パスポート、在留カード、PSA発行の出生証明書、婚姻要件具備証明書
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駐日フィリピン大使館に婚姻報告
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日本人が用意する書類:
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婚姻事項記載の戸籍謄本(原本+コピー4部)
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パスポート(コピー4部)、婚姻届記載事項証明書、証明写真4枚、返信用封筒
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フィリピン人が用意する書類:
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パスポート(コピー4部)、証明写真4枚、婚姻届申請用紙
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婚姻後1年以上経過の場合:遅延届宣誓供述書
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費用と期間
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費用:婚姻届やビザ申請自体は無料だが、書類手数料や交通費、ビザ変更申請費用(4,000円)が発生。行政書士に依頼する場合、約100,000円。
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期間:中長期滞在ビザの場合スムーズだが、短期滞在ビザでは1~3ヶ月かかる場合も。
フィリピン方式:フィリピン先行での手続き
フィリピン方式では、日本人もフィリピンに渡航する必要があります。手続きに時間がかかるため、長期滞在を計画しましょう。
手続きの流れ
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在フィリピン日本大使館・領事館で「婚姻要件具備証明書」を取得
ダバオ、マニラ、セブで申請可能。 -
マリッジライセンス(婚姻許可証)を取得
フィリピン人パートナーの市町村役場で申請。 -
挙式を行う
フィリピン家族法に基づく挙式。 -
婚姻証明書謄本を取得
フィリピンでの婚姻手続きを完了。 -
日本側に婚姻届を提出
日本での婚姻登録。
必要書類
在フィリピン日本大使館・領事館に提出
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日本人が用意する書類:
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戸籍謄本(発行3ヶ月以内)
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パスポート
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婚姻履歴がない場合:改製原戸籍または除籍抄本
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フィリピン人が用意する書類:
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PSA発行の出生証明書(原本)
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18~25歳の場合:両親の同意書または承諾書
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フィリピンの市町村役場に提出
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日本人が用意する書類:
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婚姻要件具備証明書
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フィリピン人が用意する書類:
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出生証明書、洗礼証明書
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日本側に提出
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日本人が用意する書類:
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婚姻届
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戸籍謄本(本籍地と異なる場合)
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フィリピン人が用意する書類:
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パスポート、PSA発行の出生証明書・婚姻証明書(日本語訳付き)
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費用と期間
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費用:出生証明書、結婚歴証明書、独身証明書の手数料(各40,000円程度)。
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期間:婚姻許可証の公示に10日、戸籍反映に約2ヶ月。
配偶者ビザの取得
日本で生活するには、フィリピン人パートナーが「配偶者ビザ」を取得する必要があります。審査は偽装結婚の疑いを防ぐため厳格で、以下の要件を満たす必要があります。
配偶者ビザの要件
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法律上の結婚:両国で婚姻が成立していること。
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実体ある結婚:偽装結婚でないことを書類で証明。交際期間が短い場合や写真が少ない場合は不許可リスクが高い。
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経済的基盤:安定した収入があること。
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在留状況:過去のオーバーステイや犯罪歴がないこと。
手続きの流れ
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必要書類の準備。
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出入国在留管理庁に「在留資格認定証明書」を申請。
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審査(約1ヶ月)。
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ビザ発給。
必要書類
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共通書類:在留資格変更許可申請書、返信用ハガキ、質問書。
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日本人が用意する書類:
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戸籍謄本、納税証明書、在職証明書、給与明細、会社案内、身元保証書、住民票、パスポートのコピー。
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フィリピン人が用意する書類:
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結婚証明書、パスポート、履歴書、卒業証明書、日本語能力証明書、住民票、納税証明書、源泉徴収票。
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交際の事実を証明する資料:
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写真(結婚式や親族とのもの)、新居の写真、不動産契約書、預金通帳、生計説明書。
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注意点
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不許可のリスク:年の差、短い交際期間、写真やメッセージの不足は偽装結婚の疑いを招く。
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関係性の証明:時系列の写真やメッセージ履歴を積極的に提出。
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永住権への変更:婚姻3年以上、日本在留1年以上、安定収入、善良な素行などが要件。
注意点と行政書士への相談
フィリピン人との国際結婚は、偽装結婚の疑いから審査が厳格で、書類の翻訳や追加提出も必要です。手続きは複雑で時間と労力がかかるため、以下のケースでは特に行政書士への相談をおすすめします:
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不許可後の再申請
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海外からのパートナー呼び寄せ
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書類準備や翻訳に不安がある場合
専門知識でスムーズなビザ取得をサポートします。安心して手続きを任せられます。
まとめ
フィリピン人との国際結婚は、日本方式またはフィリピン方式で手続きを進め、配偶者ビザの取得が必須です。審査は厳しく、書類不備や偽装結婚の疑いで不許可になるリスクもあります。スムーズな手続きと幸せな日本での生活のために、ビザ専門の行政書士に相談することをおすすめします。
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