
【2025年最新情報】トラック運送業の「5年更新制」導入へ|許可更新制度の概要と実務への影響
こんにちは。熊本市中央区の行政書士法人塩永事務所です。
今回は、トラック運送業界に導入が予定されている「5年更新制」について、2025年6月時点の最新情報をお届けします。事業者の皆さまが制度変更に備え、スムーズな事業運営を継続できるよう、わかりやすく解説します。
1. 5年更新制とは?
現在、トラック運送業(一般貨物自動車運送事業)の事業許可は一度取得すれば無期限で有効ですが、2025年以降、法改正により5年ごとの更新制が導入される見込みです。この制度では、5年ごとに事業許可の更新申請が必要となり、以下の項目が厳格に審査されます。
- 法令遵守状況
- 財務状況
- 安全管理体制
- 労働環境の適正化
この更新制は、事業者が適正な運営を継続しているかを国土交通省の地方運輸局が定期的に確認する仕組みであり、物流業界全体の健全化と持続可能性の確保を目指しています。
2. 制度導入の背景
5年更新制の導入には、トラック運送業界が長年抱えてきた以下の課題への対応が背景にあります。
- 法令違反事業者の排除: 一部の事業者が、過積載や過労運転、不適切な運賃設定など、法令を遵守しない運営を行っている実態が問題視されていました。更新制を通じて、こうした事業者を排除し、業界全体の信頼性向上と公正な競争環境の確立が期待されています。
- 過当競争の是正: 不当に安い運賃での受注が横行し、適正な運賃が確保できない状況が続いています。これにより、事業者の収益が圧迫され、設備投資や人材育成が困難になるなど、持続可能な経営が阻害されていました。
- ドライバーの労働環境改善: コスト削減圧力から、ドライバーの長時間労働や低賃金が常態化していました。特に、2024年4月1日に施行された「物流の2024年問題」(自動車運転業務における時間外労働の上限規制:年間960時間)への対応は急務であり、より厳格な労働時間管理が求められています。
これらの課題を解決するため、5年更新制を通じて事業者の適正運営を促し、業界全体の構造改革を図る制度が検討・導入されようとしています。
3. 更新審査の主なポイント
更新時の審査では、以下の要素が評価される予定です。これらの基準を満たさない場合、許可の更新が認められないリスクがあります。
- 法令遵守状況:
- 過去の重大な法令違反や行政処分の有無
- 改善措置の実施状況
- 2025年4月1日施行の改正貨物自動車運送事業法における運送契約の書面交付義務や実運送体制管理簿の作成・保存義務などの遵守状況。
- 財務状況:
- 債務超過の有無や、継続的な赤字の状況。
- 健全な資金管理、事業継続に必要な経理的基礎の有無。
- 直近の財務諸表(貸借対照表、損益計算書)などを基に審査されます。
- 安全管理体制:
- 事故防止対策の実施状況。
- 運輸安全マネジメントの取り組み状況。
- 運行前後のアルコールチェックの確実な実施と記録。
- **Gマーク(貨物自動車運送事業安全性評価事業)**の取得状況や安全管理規程の整備状況も評価対象となります。
- 労働環境:
- ドライバーの健康管理(健康診断の実施、脳・心臓疾患対策、睡眠時無呼吸症候群対策など)。
- 労働時間の上限規制(年間960時間)の遵守状況。
- 休息期間の確保(原則11時間以上)状況。
- これらの労働基準関連の法令遵守が厳しく問われます。
国土交通省の調査データによると、トラック運送事業者のうち、約5%が財務や法令遵守の課題により許可継続に影響を受ける可能性があると推定されており、事前の対策が非常に重要です。
4. 行政書士法人塩永事務所のサポート
行政書士法人塩永事務所では、5年更新制導入に向け、事業者の皆さまの不安を解消し、スムーズな許可更新を支援するためのサービスを提供しています。
- 法令遵守体制の構築支援:
- 2025年4月1日施行の改正貨物自動車運送事業法に基づく書面交付義務や実運送体制管理簿の作成・管理をサポートし、コンプライアンス強化を支援します。
- そのほか、労働時間管理や帳票整備に関するアドバイスも行います。
- 財務管理の改善提案:
- 財務諸表の状況を分析し、健全な資金管理や財務体質の改善策について具体的なアドバイスを提供します。財務不備による不許可リスクを軽減し、更新審査をクリアできるようサポートします。
- 安全管理体制の整備支援:
- Gマーク取得支援、安全管理規程の策定・見直し、アルコールチェックの確実な運用指導など、運輸安全マネジメントの実施状況を強化する支援を行います。
現在、2024年4月1日から適用された時間外労働の上限規制(年間960時間)や、2025年4月1日施行の改正貨物自動車運送事業法への対応が不十分な事業者に対して、行政指導や監査が強化される傾向にあり、更新時に指摘を受けるケースが増加すると予想されます。
5. 更新をスムーズに進めるためのアドバイス
5年更新制を円滑にクリアするため、以下のポイントを押さえて準備を進めてください。
- 早めの準備: 更新期限の少なくとも6か月前から、必要書類の収集や体制の見直しを開始することをおすすめします。
- 法令遵守の徹底: 「物流の2024年問題」への対応状況や、2025年4月1日施行の改正貨物自動車運送事業法の新要件(運送契約の書面交付、実運送体制管理簿など)を事前に確認し、社内体制を整備してください。
- 専門家の活用: 行政書士のサポートを活用することで、複雑な書類作成の不備を防ぎ、審査対応のリスクを最小限に抑えることができます。
当事務所では、更新期限が迫る事業者向けに緊急対応プランもご用意しています。期限が1か月前といった状況でも、迅速な書類作成と申請準備により、許可継続をサポートいたします。
お問い合わせ
行政書士法人塩永事務所
所在地:熊本市中央区水前寺1-96 電話番号:096-385-9002 メール:info@shionagaoffice.jp 営業時間:平日9:00〜18:00 初回相談:無料
新制度導入に備え、お早めのご相談をお勧めします。運送業のプロフェッショナルとして、皆さまの事業継続を全力でサポートします!
最後に
トラック運送業の5年更新制は、物流業界の健全化と労働環境改善を目指す重要な一歩です。2025年の法改正や「2024年問題」を踏まえ、適切な準備と専門家の支援が許可継続の鍵となります。
行政書士法人塩永事務所は、皆さまの物流事業の発展を共に支え、安心して事業を継続できるよう尽力いたします。
2025年も、引き続きよろしくお願いいたします!
行政書士法人塩永事務所 スタッフ一同