【事業再構築補助金の売上減少要件について】
先週の金曜日、令和3年度補正予算案が発表されました。全体の予算約36兆円のうち、経済産業省の予算はそのうちの約5.4兆円を占めています。そのうちの半分以上の約2.8兆円が事業復活支援金に計上されており、事業再構築補助金にも6123億円が計上されています。その事業再構築補助金の申請要件が来年以降緩和されそうなのです。ここで、現在の事業再構築補助金の申請要件を確認していきましょう。
現在の必須申請要件は、(1)売り上げが減っていること、(2) 新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編に取り組むこと、(3) 認定経営革新等支援機関と事業計画を策定することの3点です。このうちの(1)売上減少要件は、
(a)2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月間の合計売上高が、コロナ以前(2019年1月~2020年3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること
(b)2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月間の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して5%以上減少していること。
【※(a)は合計付加価値額15%以上減少、(b)は合計付加価値額7.5%以上減少に代替可能】
です。
3か月については連続している必要はなく、売上の差が大きい任意の3か月を、それぞれ要件を満たすように選び出すのがポイントです。もっとも、(a)(b)2つの期間の売上減少要件を同時に満たすようにするのはなかなか厳しいです。
今回発表された補正予算案では、上記(b)の5%減少要件が撤廃される予定です。これで(a)の広い期間での10%減少要件のみを満たせば足りるため、だいぶ申請の間口が広がりそうですね。「これならウチの店もあてはまるかも…?」と思われた方は、ぜひ当事務所にご相談ください。
また、(a)(b)いずれの売上減少要件も撤廃された『グリーン成長枠』が新設される予定です。 グリーン成長枠とは、研究開発・技術開発又は人材育成を行いながら、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に資する取組を行う事業者を支援する特別枠です。この14分野は以下の通りです。
〇 洋上風力・太陽光・地熱
〇 水素・燃料アンモニア
〇 次世代熱エネルギー
〇 原子力
〇 自動車・蓄電池
〇 半導体・情報通信
〇 船舶
〇 物流・人流・土木インフラ
〇 食料・農林水産業
〇 航空機
〇 カーボンリサイクル・マテリアル
〇 住宅・建築物・次世代電力マネジメント
〇 資源循環関連
〇 ライフスタイル関連
補助上限は中小企業で1億円、中堅企業で1.5億円。補助率は中小企業が1/2、中堅企業が1/3です。グリーン成長枠に当てはまるなら、補助金採択率もグンと上がりそうです。補助金に強い行政書士塩永健太郎事務所にぜひご相談ください。