
最終更新日:2025年5月8日
建設業許可は、建設業法(昭和24年法律第100号)に基づき、建設工事の完成を請け負う事業者が、一定の要件を満たした場合に都道府県知事または国土交通大臣から受ける許可です。許可の取得は、工事の規模や種類に応じて必要とされ、特に公共工事や大型民間工事を受注する際に不可欠です。許可の対象となる建設工事は、土木一式工事、建築一式工事をはじめとする29業種に分類され()、以下のケースを除き、許可が求められます:
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軽微な工事の例外:建築一式工事では請負金額1,500万円未満(消費税込)または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事、その他の工事では請負金額500万円未満(消費税込)の場合、許可は不要()。
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知事許可:1つの都道府県内でのみ営業所を設けて建設業を営む場合。
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大臣許可:2つ以上の都道府県に営業所を設けて建設業を営む場合()。
建設業許可を取得するには、建設業法第7条および第15条に定める以下の5つの要件を満たす必要があります。これらの要件は、経営能力、技術力、財務健全性、適法性を担保するものであり、申請時の書類で厳格に証明されます()。
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許可を受けようとする業種で5年以上の経営経験(役員または個人事業主としての経験)。
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許可を受けようとする業種以外の建設業で6年以上の経営経験。
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経営業務を補佐する地位での5年以上の経験(2020年10月の法改正により追加)。
証明には、過去の役員登記簿謄本や工事請負契約書、確定申告書等が必要です()。
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国家資格(例:1級・2級建築施工管理技士、建築士等)。
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許可を受けようとする業種で10年以上の実務経験(資格を持たない場合)。
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指定学科(土木工学、建築学等)卒業+実務経験3~5年。
証明には、資格証の写し、実務経験証明書、卒業証明書等が求められます()。
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自己資本が500万円以上。
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500万円以上の資金調達能力(預金残高証明書等で証明)。
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直前5年間に許可を受けて継続して営業した実績。
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欠損の額が資本金の20%を超えない。
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流動比率が75%以上。
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資本金が2,000万円以上かつ自己資本が4,000万円以上。
財務諸表や預金残高証明書で証明します()。
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破産手続き中で復権していない場合。
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建設業法違反で許可取消後5年未満の場合。
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役員等に禁錮以上の刑を受けた者がいる場合(刑の執行終了から5年未満)。
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暴力団員または暴力団と密接な関係を有する者がいる場合。
欠格要件は、申請者だけでなく役員や従業員にも適用され、行政庁による調査が行われます()。
建設業許可申請には、多数の書類が必要であり、書類の不備は申請不受理や不許可の原因となります。以下は主な書類の一覧です(、):
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建設業許可申請書(様式第1号):申請者の基本情報、許可区分、業種等を記載。
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役員等の一覧表(様式第2号):役員や支配人の氏名、役職等。
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営業所一覧表(様式第3号):営業所の所在地、専任技術者等。
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工事経歴書(様式第2号):過去の工事実績を記載。
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財務諸表:直近の貸借対照表、損益計算書(建設業用様式に変換)。
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使用人数(様式第9号):従業員数や社会保険加入状況。
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経営業務の管理責任者証明書:役員登記簿謄本、工事請負契約書、確定申告書等。
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専任技術者証明書:資格証写し、実務経験証明書、卒業証明書等。
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財務健全性証明:預金残高証明書、融資証明書、納税証明書。
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社会保険加入証明:健康保険・厚生年金保険料領収書、雇用保険料申告書等。
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その他:登記事項証明書、住民票、身分証明書、営業所の賃貸契約書等。
書類の作成には、各都道府県の手引き(例:東京都都市整備局の令和6年度手引き)を参照する必要があります(、)。特に、財務諸表の建設業用様式への変換や実務経験証明書の作成は専門知識を要します。
建設業許可申請は、以下のステップで進行します(、):
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知事許可:都道府県庁の建設業担当窓口(例:東京都庁第二本庁舎3階)()。
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大臣許可:国土交通省地方整備局(例:関東地方整備局建設産業第一課)()。
提出方法は、窓口持参または郵送(行政庁により異なる)。一部の行政庁では事前予約が必要です()。
申請書類の審査には、知事許可で1~2ヶ月、大臣許可で3~4ヶ月かかります()。審査では、書類の整合性や要件の充足性が厳格にチェックされます。
許可が認められた場合、許可通知書が発行され、登録免許税(知事許可:9万円、大臣許可:15万円)を納付します。不許可の場合、手数料は返還されません()。
許可取得後、営業所に許可票(金看板)を掲示します。当事務所では、許可票の作成代行も承ります(有料)()。
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書類準備:1~2ヶ月(要件確認、証明書取得等)。
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申請受付から審査:知事許可1~2ヶ月、大臣許可3~4ヶ月。
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許可通知:審査完了後、即日~1週間以内。
申請に必要な費用は以下の通りです(、):
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申請手数料:知事許可(新規)9万円、大臣許可(新規)15万円、更新5万円。
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諸費用:登記事項証明書(約600円/通)、納税証明書(約400円/通)、預金残高証明書(約1,000円/通)等。
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行政書士報酬:当事務所の報酬は、新規申請で15万円(税別)~、更新で8万円(税別)~。案件の複雑さに応じて変動。
日本行政書士会連合会の報酬額統計(平成27年度)によると、新規申請の報酬相場は10~20万円程度です()。
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書類の正確性:書類の不備や虚偽記載は不許可の原因となります。特に、経営業務の管理責任者や専任技術者の証明書類は、過去の契約書や在籍証明書で厳格に裏付けが必要です()。
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要件の事前確認:欠格要件や財産的基礎の確認を怠ると、申請が無駄になる可能性があります。事前に行政書士に相談することを推奨します()。
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社会保険加入:健康保険、厚生年金、雇用保険の加入が必須であり、未加入の場合、申請前に加入手続きが必要です()。
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更新管理:許可は5年ごとに更新が必要であり、更新漏れは許可取消の原因となります()。
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要件診断:経営業務の管理責任者や専任技術者の要件を詳細に確認し、不足書類の特定を支援。
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書類作成代行:申請書、財務諸表、証明書類の作成を一括代行。建設業用財務諸表の変換も対応()。
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申請手続き代行:行政庁への書類提出、審査中の対応、許可通知の受領までワンストップで対応。
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アフターフォロー:許可後の変更届出、更新申請、経営事項審査、入札参加資格申請をサポート。
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柔軟な報酬体系:着手金0円+成功報酬型プランを用意(報酬は案件規模に応じて応相談)。
当事務所は、建設業許可申請の実績が豊富であり、銀行出身の行政書士や建設業専門のコンサルタントが在籍。複雑な実務経験証明や財務諸表の作成にも対応可能です。また、東京都都市整備局や関東地方整備局との連携実績を活かし、迅速かつ確実な申請を実現します()。
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電話:096-385-9002(受付時間:平日9:00~18:00)
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メール:info@shionagaoffice.jp
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LINE:
@shionagaoffice(24時間受付)
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大型工事の受注:500万円以上の工事を請け負うことが可能となり、事業規模の拡大が期待できる。
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公共工事の入札参加:許可は入札参加資格の前提条件であり、安定した受注機会を確保。
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社会的信用の向上:許可取得は、事業の適法性と信頼性を証明し、取引先や金融機関からの評価を高める。
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書類作成の負担:新規申請では数十種類の書類が必要であり、準備に時間と労力を要する()。
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継続的な管理:許可後の変更届出や更新手続きを怠ると、許可取消のリスクがある。
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業界の動向:公共工事の削減や若者の職人不足により、建設業許可業者数は減少傾向(平成31年時点で468,311業者、ピーク時比22.1%減)()。
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国土交通省「建設業許可の手続き」